体に本来備わっているリズムと、ふだんの暮らしのリズム。この二つがうまくハーモニーを奏でた理想的な生活をめざして、かんたんに実践できることを考えていきましょう。

新年を迎えて、気持ちを一新して新たな決意を実行しようと思っている方も多いのでは?でも、大きな決意を抱いて緊張しすぎると、気持ちも長続きしません。そんな時はお風呂で心地よい香りに包まれて、緊張感をリセットしませんか?
「入浴剤を選ぶポイントは?」という調査をすると、「香り」と答える人がここ数年多いようです。たしかに好きな香りに包まれると心地良い気分になります。一般的に「リラックスする香り」と呼ばれるものがありますが、その香りを好まない人にとっては、かえってストレスを感じます。香りは個人の嗜好性に左右されるもので、入浴剤の香りをつくる仕事は、実は大変難しいことなのです。
入浴剤の香りは、どうやってつくっているかご存じですか?香りの原料は約3,000種もあり、その価格もさまざま。1キロあたり数千円のものあれば、150万円もするものまであります。入浴剤の香りは、約3,000種類ある香料原料の中から、50~100種類を組み合わせてつくっています。また、お湯に溶かした瞬間の香り、1時間経ったときの香り、2時間後の香りまでがどう変化しているのかということまで考慮してつくられています。
ツムラ ライフサイエンスには、香料原料をブレンドして入浴剤の「香り」をつくる調香師が3名います。「ええ、たった3名?」と思うかもしれませんが、日本で調香師と呼ばれる人は、100名ほどしかいません。だからツムラ ライフサイエンスには、「3名もいる」訳です。この3名が、香料を入れすぎないように、つまようじで少しずつ調整しながら香りをミリグラムで量るというような地道な調香作業を繰り返して、バスクリンやソフレ、きき湯、そして日本の名湯などの香りを作っているのです。
ツムラ ライフサイエンスの中でも、ブランドによって香りのつくり方が違います。バスクリンはファミリータイプの入浴剤です。だから、どなたが使っても「あ!○○のいい香り!」と思っていただけるように努力しています。またバスクリンには、「ゆず」や「ジャスミン」のように、実際に存在する「もの」の香りが多いので、「本物」をイメージさせる香りでなければいけません。このイメージというのが難しいのです。「バスクリン 摘みたて緑茶の香り」という商品の場合、お茶の香りそっくりに「香り」をつくってお風呂に入れてみたら、あまりにもリアルすぎてよい評価が得られませんでした。また、バスクリンの香りはメガブランド故に「失敗が許されない」というプレッシャーもあります。
一方、日本の名湯の香りづくりも大変です。調香師は、実際に温泉地に行き、モデルとなる源泉につかり、源泉の湯ざわりを感じ、風景を見て、まず文章で温泉を表現します。そしてその表現にピッタリの香りをつくっていきます。香りをつくる技術だけでなく、表現力も要求されるのです。かなり昔になりますが、単純に「温泉といえば硫黄の香り」だと思って「硫黄の香り」をつくり、家庭用の風呂で試してみたことがあったそうです。これはもう気分が悪くなってとても商品化できなかったとか。「硫黄の香り」は、開放された空間だからこそ気持ちよく感じるものなのですね。
嗜好性で左右される「香り」ですが、入浴剤の「香り」がもたらす効果を測定したこともあります。ストレスを感じている時に、「バスクリン ゆずの香り」を入れたお湯につかったときの方が、何も香らないさら湯に入ったときよりもリラックスするというデータがあります(図1)。また、ビーズが弾けて香りが飛散するタイプの入浴剤を入れたお湯につかった方が、交感神経が有意に働いたという結果もあります。(図2)
「香り」は、奥が深くて非常に神秘的な世界です。この冬、自分にあった好きな「香り」の入浴剤を見つけて、心地よいバスタイムを過ごしてください。きっとバスタイムが楽しくなりますよ。


